第116弾〜そもそも革とは何か〜
皮と革の違い
どうもsanomaです。
革とは、人間でいう皮膚の部分を腐らないように加工したものを指します。
人の皮膚と違い、牛などの皮は非常に分厚く丈夫です。
一方、皮とは、加工する前の皮膚を指します。
皮は、そのままにしておくと、すぐに腐って使えなくなってしまいます。
そこで、皮を腐らせないよう加工し、革へと昇華させる技術が発達していきました。
つまり、皮と革の違いは人の手により、防腐加工がされたか否かということになります。
皮を加工する技術
革の成分は主に、水分、タンパク質、脂質です。
そして、タンパク質はほとんどがコラーゲンであり、このコラーゲンを腐らせないようにするためにする作業が「なめし」と呼ばれるものです。
なめしは大まかに分けてタンニンなめしとクロムなめしに分かれます。
タンニンなめし
植物の渋み成分を利用したなめし方法がタンニンなめしと呼ばれます。
この方法は、大昔から行われるなめし方で、クロムなめしより歴史が深いです。
ちなみに緑茶に含まれる成分で「カテキン」と呼ばれるものがありますが、これはタンニンの一種です。
普通はこのカテキンの方が馴染み深いかもしれません。
タンニンなめしの特徴は、耐久性があり、経年変化が激しいことです。
つまり、本当の意味のエイジングは、このタンニンなめしの革を使用した製品で起こります。
ただし、タンニンなめしは作業コストが高く、現存するタンナーでこのなめしができるところは限られています。
希少性と作業コストの高さから価格は高めとなっています。
クロムなめし
塩基性硫酸クロム塩というものを使ってなめす方法がクロムなめしです。
クロムなめしの特徴は、耐久性と柔軟性です。
また、経年変化も少ないため、仕上がったときの美しさが長く続きます。
加工がしやすく、耐久性もあることから、現在作られている革靴の多くは、このクロムなめしの革が使われています。
ちなみに黒色の革はクロムを使用しなければできないため、黒のタンニンはありません。
薬品を使って一気に仕上げるため、作業コストは低く、タンニンなめしよりは安価な傾向があります。
どのなめしが良いかは人それぞれ
2つのなめし方と特徴を紹介しましたが、どちらが良い革と思うかは、人それぞれです。
経年変化を楽しみたいのであれば、タンニンなめしが良い革ですし、買ったときの美しさを保ちたいという場合は、クロムなめしが良い革になります。
(ちなみに、僕は経年変化を好むので、タンニンなめしの革が好きです。)
自分の好きな革をなめし方から探していくのも革製品を楽しむ方法の一つかなと思います。
今回はこのぐらいにします。
ではまた明日。